これはMicrosoft Internet Explorerで見ることを前提として作成されています.


画像情報処理 実習資料

今回の実習の流れ
  1. 使用するソフトについて
  2. Scion Imageの起動
  3. 画像の読み込み
  4. 画像処理
1.使用するソフトについて
 今回,実習に用いる”Scion Image”はBMP,TIFF形式の画像データに対応した画像解析ソフトです.
 Macintoshで画像解析機能が豊富なフリーソフトとして有名な”NIH Image”をベースにしてWindowsに移植されたものです.
 現在はMacintosh版もあるようです.
   
公式サイト(http://www.scioncorp.com/)

2.Scion Imageの起動
起動手順
  1. ここからダウンロード
  2. 保存場所は、デスクトップ
  3. インストールの開始
  4. 注意点:インストールする時に必要な入力はname:(学籍番号)company:gifu-u
  5. インストール場所は、個人の好きなようにしてください
  6. デフォルトはC:\Program Filesに保存されます。
  7. フォルダ内のScnImage.exeを起動
  8. わからないかたはTAまで
 なお,起動後Undoバッファの確保のためOptionsのPreferencesで起動するダイアログ(図1)で,1000Kバイト程度確保するように設定してください.


図1 Preferencesダイアログ
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3.画像の読み込み
 Scion Imageでは,BMP,TIFF形式の一般的な無圧縮画像フォーマットに対応しています.
 その他にも,医療施設などで用いられているDICOM形式や,タブ区切り,リターン改行で画素値が書かれたTEXT形式, ヘッダ情報を省略,あるいは独自のヘッダ情報を持ち,画素値の値がバイナリ形式で書きこまれたRAW形式などに対応しています.
 今回は,このうちTIFF形式とRAW形式のファイルを用います.
 TIFF形式ファイルはそのヘッダ部分に画像の重要な要素
  1. ヘッダのバイト数
  2. 縦の画素数
  3. 横の画素数
  4. 1画素のサイズ(1画素の値をあらわすのに何バイト必要か?)
  5. 濃度分解能
  6. 符号の有無
などが書きこまれており,Scion Imageなどの画像を扱うソフトはこの情報を元に画像を表示します.このような形式のファイルはFileのOpenから選択するだけで表示することができます.
 一方,RAW形式は先にも述べたようにヘッダ部分が省略されていたりするので,OpenコマンドのかわりにImportコマンドを用います. Importコマンドを行いますと図2のようなダイアログが出ます.その後の手順は以下のように行います.
  1. Customを選択
  2. その他の設定を選択
    • 8bit,12Bit Unsigned,12bit Signed:1画素のサイズ
    • Swap Bytes:2バイトデータの上下バイトの入れかえ
  3. Setボタンをクリック
  4. 表示されたダイアログ(図3)に画像の情報を入力
    (縦横の画素数,読み飛ばす大きさ,画像の枚数,画素値の最大値と最小値)
  5. ファイルの選択
図2 Importダイアログ 図3 Setダイアログ
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4.画像処理
 今回は,代表的な画像処理手法である二値化処理,階調処理と,画像に雑音が乗ってしまった場合の除去の仕方,鮮鋭化処理について実習を行います.

二値化処理
 二値化処理は量子化レベル数を2にする処理である.Scion Imageではしきい値を設定してある値以下を最小値,以上を最大値とするものと, 濃度レンジのある範囲のみを最小値,それ以外を最大値とする処理がある.

しきい値を設定する方法
  1. Optionsのthresholdを選択する
  2. LUT(図4)のグラデーションが二値化される
  3. その境界をドラッグすることでしきい値を設定する
  4. ProcessのBinary−>Make Binaryを選択する
濃度レンジのある範囲を指定する方法
  1. OptionsのDensity Sliceを選択
  2. LUTに赤いゲージがあらわれる
  3. ゲージの上辺と下辺ドラッグすることで任意の範囲を赤いゲージで指定する
  4. ProcessのBinary−>Make Binaryを選択する
図4 LUTウインドウ

<課題>以下の2枚の写真に対して二値化処理をせよ.
  1. 工学部の写真
  2. 岐阜大全景
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ヒストグラム
 画像の中に含まれるあるグレーレベルを持つ画素を,グレーレベルを横軸として棒グラフに表したものである.

ヒストグラムの表示方法
  1. AnalyzeのShow Histgramを選択する
  2. 別のWindowにヒストグラム(図5)が表示される
<課題>以下の2枚の写真のヒストグラムを表示し,見比べよ.
  1. 工学部の写真
  2. 岐阜大全景
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階調処理
 ここでは,ウインドウ処理による濃度階調処理とヒストグラム等化処理について行います.

ウインドウ処理による濃度階調処理
 ウインドウ処理は,画像のコントラストを変えたり,特定の濃度値の範囲でコントラストをつけたりできる処理です.
 このScion ImageではMapウインドウ(図5)で操作することで濃度階調を変更することができます. 四角の下のツールバーとボタンは図5のように対応していますが,四角の中の直線とその端点をドラッグすることでもウインドウ処理を行うことができます.

図5 Mapウインドウ

<課題>以下の2枚に対し,階調処理を試せ.
  1. 藤田研ボーリングの写真
  2. 子猫の写真
ヒストグラム等化処理
 画像のヒストグラムはAnalyzeのShow Histogramで見ることができ,等化処理はProcessのEqualizeで出来ます.
 このScion Imageではヒストグラム等化処理を行った後の画像のヒストグラムを見るには一度保存して,開きなおす必要があります.
 (注:保存するときにサンプルファイルに上書きしないように,FileのSave asで違うファイル名にして保存してください.)

<課題>以下の2枚の写真に対し,ヒストグラム等化処理を行え.
  1. 藤田研ボーリングの写真
  2. 子猫の写真

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雑音の除去
 ここでは,雑音(ノイズ)の除去する方法として平滑化処理,メディアンフィルタを用いた処理を行う.
 また,各自Scion Imageのペンツールでサンプル画像1にノイズを加えたものを利用してください.

平滑化処理
 この処理はProcessのSmoothで行うことが出来ます.通常,図6のaのような注目画素に重み付けをしたカーネルで行われますが, Scroll Lockボタンを同時にしながら行えば,bのようなカーネルで平滑化されます.
 また,Scion ImageではProcessのConvolveでテキスト形式のファイルを読み込むことで,列間をタブ,行間を改行で書かれたテキストをカーネルとして利用することが出来ます. したがって,3×3だけでなく,5×5,7×7のカーネルでの平滑化を行うことも出来ます.

tabtab改行
tabtab改行
tabtab改行
a 通常 b Scroll Lock併用 c テキスト形式のカーネル
図6 Smoothで用いられるカーネル

メディアンフィルタによる処理
 メディアンフィルタは,ProcessのRank Filtersでダイアログ(図7)を呼び出し,Medianを選択することで出来ます. また,下のIterationsの数字を書きかえることで,その数だけ反復させることが出来ます.

図7 Rank Filterダイアログ

<課題>以下の2枚の写真に対し,移動平均法(Smoothing),メディアンフィルタを試せ(何度も繰り返してみる).
  1. 写真1
  2. 写真1のノイズ付

注意:写真1,写真1のノイズ付ともに、画像サイズ256*256
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鮮鋭化処理
 この処理はProcessのSharpenで行うことが出来ます.通常,図8のaのような注目画素に重み付けをしたカーネルで行われますが, Scroll Lockボタンを同時にしながら行えば,bのようなカーネルで鮮鋭化されます.また,平滑化で示したようにテキストファイルに 自作のカーネルを書いて使うことが出来るので,図9のようラプラシアン演算を行ってみてください.
−1 −1 −1
−1 12 −1
−1 −1 −1
−1 −1 −1
−1 −1
−1 −1 −1
a 通常 b Scroll Lock併用
図8 Sharpenで用いられるカーネル

−4
図9 ラプラシアン演算のカーネル

<課題>以下の2枚の写真に対し,図8,図9のカーネルを用いて鮮鋭化処理を行え.ただし,図9のようなカーネルは自分で作成し,実行せよ
  1. 工学部の写真
  2. 岐阜大全景
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